BSCI

ビジネス・ソーシャル・コンプライアンス・イニシアチブ（BSCI）の会員には、小売業者、ブランド企業、貿易業者が含まれます。その多くは繊維製品または繊維を含む製品を取り扱っており、ヨーロッパとカナダの10か国から会員が集まっています。オランダからは、HEMA、Bijenkorf、V&D、Claudia Strä;ter、M&S、Hunkemöller、WE、Wehkampなど18社が会員となっています。

消費財を生産する開発途上国や新興工業国における人権状況に焦点を当てた議論がますます活発化しています。先進工業国では、小売業者に製品を供給する生産国の社会水準の向上が、多くの企業にとって非常に重要な課題となっています。世界中のサプライヤーメーカーで発生している問題には、児童労働、強制労働、職場における安全性の欠如、最低賃金にも満たない賃金、労働組合設立への干渉、従業員代表の活動への妨害、過度に長い所定労働時間、過剰な残業、そして様々な形態の差別などが挙げられます。これらの問題に対処するため、欧州をはじめとする世界各地で、小売業や製造業の企業、貿易業者、業界団体によって行動規範が策定されています。これらの規範は、多くの場合、国際労働機関（ILO）の主要な労働条約に基づいており、サプライヤー国の労働条件の改善を目的としています。フィンランド、フランス、ドイツ、オランダ、スウェーデン、イギリス、カナダなど、多くの国がこれらの行動規範の監視システムを構築しています。これらの行動規範と関連する監視システムの目的は、その内容に至るまで非常に類似しています。基準が多すぎるため、小売業者が社会的責任を果たすのは困難です。サプライヤーも同様の状況に直面しており、ますます多くの要件と監査手続きが課せられています。そのため、小売業界と産業界の両方で協調的な行動をとることが急務となっています。

これらの問題が国際的な注目を集めるにつれ、共通の行動を策定する必要性がますます緊急性を増しています。国連の「世界行動計画」、経済協力開発機構（OECD）の「多国籍企業原則」、そして世界貿易機関（WTO）など、多くの国際機関が、この問題を内部議論の最前線に位置付けるべく積極的に取り組んでいます。例えば、世界貿易機関（WTO）は、多国間貿易規制に社会基準を盛り込むことを検討しています。

欧州委員会も、2002年に社会問題に関する共同声明を発表しました。外国貿易協会など、一部の企業や協会も議論や取り組みに参加しています。しかし、欧州の小売業界は、強制よりも自主性の原則を重視し、国際社会の対応する政府および組織の要件を順守しています。2002年以来、ベルギーのブリュッセルに拠点を置く外国貿易協会（FTA）は、欧州のさまざまな行動規範と監視システムに共通のプラットフォームを確立し、共通の欧州監視システムの基礎を築くために取り組んできました。2002年から2003年にかけて、主要な小売企業と協会は、そのようなシステムのフレームワークを開発するためのセミナーを開催し、2003年3月、FTAは、欧州ビジネス社会コンプライアンスイニシアチブ（EBSCI）の実施措置と手順を開発することを目的として、ビジネス社会コンプライアンスイニシアチブ（BSCI）を正式に設立しました。